着物情報

《私の寸法表》着物手帳のこだわりポイント・その3

自分の寸法もしっかり記録

 

『着物手帳』には、着物や羽織の「部位」の名称と、その寸法の目安になる表が出ていますが、その隣には、ご自分の寸法を書き入れておくことのできる欄があります。
以前は尺だけの表示だったのですが、『着物手帳』を何年もご愛用いただいている方からのご要望がたくさん届きました。「センチの表示もしてほしい」と。

 

リサイクルショップなどでは、寸法の表示が「センチ」なのだそうです。

「尺」というのは、確かに現代社会の中では一般的ではなくなってしまいましたね。なので、ちょっと気に入った仕立て上がりのきものを見つけたときなどに、値札に書いてある寸法が尺でもセンチでも、『着物手帳』がバッグに入っていれば、すぐに自分の寸法を確認することができます。

 

また、行きつけのお店以外の出先で偶然気に入ったきものを見つけた場合でも、寸法がすぐに分かればせっかくのお買い得品をムダにすることもありませんね。

おしゃれきものは買うけれど、冠婚葬祭はレンタルと決めている人がいらっしゃるそうです。そんな方にもレンタルするときに自分の寸法が分かると便利ですね。

ところで、尺には「鯨尺」と「曲尺」とがありますね。
なんで寸法なのに「クジラ」?なんでまっすぐ測るのに「曲がる」?

鯨尺は布を測ることから、曲尺は木を測ることから始まったという説が有力で、呉服業界と建築業界の違いでしょうか。そうは言っても「江戸間」と「京間」では、お部屋の寸法も違うそうですのでこのへんは、建設業界の方にお任せするしかありません。かつて行動経済成長期には、憧れの2DKの畳みや障子は「団地サイズ」などと呼ばれて一回り小さなサイズでしたね。お若い方には「なんのこっちゃ?」なオハナシ(笑)

本題戻しましょう。

寸法なのになぜクジラ!? の疑問ですが、竹と同様に温度や湿度での変化が少なかったため、クジラのヒゲが物差しに最適だったことが語源だそうですよ。日本人はクジラを昔から大切に食べたり利用したりしてきました。

 

イルカの追い込み漁が国際的なルールで禁じられたニュースもありました。知能の高いほ乳類を食べるのはかわいそうだと、牛を食べている皆さんから批判が止まらない昨今ですが、捨てるところはひとつもない! というクジラの使い方。尊い命の使い方として、やっぱり日本人は見事だなぁとこっそり思っています。

 

ところで反物もまた大きな人のサイズに仕立てようが、小さな人のサイズに仕立てようが、捨てるところは1つもなく八つに裁断された布はすべてキレイにきものの中に収まって、すべてが直線裁ち。これもまたお見事! そして畳めばぺったんこになりますから収納も見事ですし、旅行にも持って行きやすい。

「豆を3粒包める布は捨ててはいけない」と、昔の人は母親から必ずそう教えられたそうです。かまどの灰や排泄物までも、媒染に肥料にと、使えるモノは最後の最後まで使い切る日本人の魂は、季節に寄り添い、自然と共に生き、自然を畏怖する農耕民族故でしょうか。とても誇らしい文化だと思います。

そうそう、センチ×2.64=鯨尺 です。
これは覚えておくと便利かもしれません。でも暗算しにくいですね。ざっとで構わないなら四捨五入して「3」で(笑)。

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